Online Lecture
『 仏像の彫り方 』
担当講師
村上 清
ここでは、仏像の素材や彫り方造り方について、Q&A形式でお答えしていきます。素朴な疑問、質問をこちらからどしどしお寄せください。
Q.2 芸大美術館で行われた興福寺展を見ました。その中で印象的だったのが、目の光る仏像です。何か仕掛けがあるのでしょうか?
A.2 それは、まさに「玉眼(ぎょくがん)」と呼ばれるもので、仏像が写実的に表現されはじめた鎌倉時代から盛んに使われるようになりました。玉眼は、眼球の見える部分の形にあわせて水晶を加工して作ります。このとき透明度が高い水晶を使用すると、内側に眼球や血走りなどの彩色を施すことができます。こうして造った玉眼を、内刳りを施した顔面部の内側から嵌め込み、外れ落ちないように裏側に板材をあてて竹釘で固定します。
こうすることで、わずかな光をも反射する眼球ができあがり、あたかも動き出すかのような仏像の造形表現が可能になったわけです。
余談ですが、玉眼が本格的に使われはじめたのが鎌倉時代ですから、仏像を拝見したときに玉眼が施されているものであれば、それは鎌倉時代以降に造られた仏像であることがわかります。制作年代判定の基準のひとつとしても役立ちます。