Online Lecture
『 仏像の彫り方 』
担当講師
村上 清
ここでは、仏像の素材や彫り方造り方について、Q&A形式でお答えしていきます。素朴な疑問、質問をこちらからどしどしお寄せください。
Q.5  彫刻や絵画の人物の顔は、作った人に似ると聞きましたが、ほんとうでしょうか?仏像でもやはりそうでしょうか?
A.5

着眼点がとても面白いご質問ですね。

私個人的な見解ですが、ズバリ仏像の場合も似ると思います!厳密に言えば、仏像のお顔は種類によって様々なので、全くそっくりにはなりませんが、微妙な表情は似てくると思います。また、造り手の家族や友人など、近くにいる人にも似てくるでしょう。特に恋人の顔などは、毎日でも見ていたいくらい大好きな顔なのですから、美しい仏像のお顔を彫ろうとしているときには、無意識のうちに似せて造ってしまうかも知れませんね。
菩薩像などの女性的な仏像を彫るときには恋人の表情を、そして天部や明王などの憤怒相を彫るときは、怒ったときのお父ちゃんやお母ちゃんの顔を想起すると、仏像彫刻の上達につながるかもしれません!このように考えてみると、凛々しい仏像を造るのは、実は女性のほうが向いていたりするのです。仏像彫刻を志す女性の方々は、是非一度チャレンジしてみてください。
 
彫刻文化財においては、時代別に造形様式が大別されており、それぞれの表情に特徴があります。もしかすると、仏像が造られた時代の人々の表情が反映されているかもしれません。作者が明確な作例では、作品の表情を観察して、作者の顔を思い浮かべてみるのも楽しいですね。
仏像が作者や造られた時代の人々に似ることを大前提として、逆説的に作者の顔を想定するような研究をしてみてはいかがでしょうか?!