Online Lecture 13

文化財調査心得

 わが国の彫刻文化財の多くは仏像であり、寺院では信仰の対象としてたいせつに敬われている。そして文化財調査は、寺院のご好意で行わせて頂いていることを念頭にいれて行動しなければならない。

*文化財に接するまえに
1)寺院では、基本的な礼節をわきまえ、寺院の方や参拝者の迷惑にならないよう行動すること。
2)信仰の有無にかかわらず、仏像に対し合掌、礼拝などの礼法を遵守すること。
3)お寺の建物は、古く脆弱になっている場合が多いので、みだりにもたれたり触ったりしないこと。
4)寺院が信仰や修行の場であることを忘れないようにし、声高な私語や足音をたてないように気をつけること。
5)文化財周辺での喫煙や火気の使用は、厳に慎むこと。
6)服装は、華美なものや露出の多いものは避け、帽子類は取って動きやすく簡素なものを心がけること。また持ち込む手荷物は最小限にとどめ、乱雑にならないようにまとめること。
7)腕時計、装身具など、文化財に傷をつける虞れのあるものは、調査の前に必ず外すこと。携帯電話も電源を切るか、マナーモードに設定すること。
8) 靴を脱ぐ場合、乱雑にならないように整頓し、靴箱があれば整然と収納すること。
9)冬場は、足下から大変冷えるので、足回りの防寒を忘れないこと。
10)夏場は、虫除けの準備をすること。
11)調査終了後は、移動した什物などを元にもどし、清掃に努めること。

*調書作成時の注意
1)
筆記用具は、鉛筆が望ましい。インクのはねるものを絶対に使用しない。
2)内容物が落下するおそれがあるため、胸ポケットにはものを入れない。
3)写真撮影や照明器具を用いる場合、かならず許諾を得ること。
4)計測用具の先端には、調査対象に傷を付けないように養生をし、また本体には触れないように細心の注意をすること。
5)許可を得て調査対象に触れる場合も、木部の虫食いや接合部のゆるみ、表面の亀裂剥落を充分に確認し、細心の注意を払って作業すること。