10月30日に、滋賀県湖東の観音の里「木之本」で、
石道寺(しゃくどうじ)の十一面観音菩薩立像の調査を行いました。

「石道(いしみち)の観音さん」で親しまれる平安中期の一木造の素晴らしい作例です。近隣にある厳しい表情の渡岸寺の十一面観音とくらべて、穏やかな丸顔に優しい眼差しのお姿は、大変人気があります。現在は真言宗豊山派の御住職が兼務しておられますが、ふだんは地元の護持会のみなさんが大切にお守りされています。

お厨子の中に納められているため、通常は全身を拝観することはできませんが、童顔からは想像できないほど細見のスタイルのよいお像です。特別許可の許に実施した本調査のデータをもとに、東京藝大文化財保存学で模刻研究を行わせて頂きます。

裏山の杉の木に野猿の集団が訪れて、調査を見守っていました。あいにくの「キツネの嫁入り」といわれる天気雨でしたが、帰りの車中からは、見たこともないほど美しく大きな虹が見えました。山の冷気は身にしみましたが、観音さまの印象通りほっこりする調査になりました。

 

 


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