京都府 平等院
雲中供養菩薩像南二十号 模刻制作

Reproduction of Worshipping Bodhisattva on Cloud(South No.20)
in Byodoin Temple

中村 美緒
NAKAMURA Mio

〈研究概要〉
 本研究では、平安後期の代表的な様式をあらわす本像を模刻することで、当時の彫刻に用いられた技法や造形を体感し考察を行った。
〈本像について〉
平等院鳳凰堂の長押上の小壁に懸けられる雲中供養菩薩像52体は平安後期(1053年)に造立された。和様彫刻の大成者であるとされる仏師定朝の工房で制作された貴重な作例である。本像はその内の1軀であり、軽快に舞う優雅な姿をあらわしている。ヒノキ材による寄木造で、模刻にあたり構造・制作工程の再現を試みた。
〈制作所見〉
 実際に模刻を行うことで、彫刻を見るだけでは捉え切れない技法や制作工程、細かな造形まで体感することができた。一見、立体感に溢れふくよかな印象である本像は、実際には起伏が小さく抑制された造形である。壁面に架けることが想定されているため、厚みの制約の中で最大限、立体的に見せる工夫がなされた造形であることが感じられた。また、寄木造や挿首などの技法を用いて、自然で自由な表現がなされていることが感じられた。


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